この曲は雨を題材とした描写音楽である。
雨自体の描写、次第に強くなる雨、雨の中の晴れ間等から感じる感情の描写、さらにはそれらがかもし出す異次元空間への導き、それらを和声の展開と和声の移り変わりの変化(いうなれば2次微分=和声の加速度)にて表現しているところがいかにもドビュッシーらしいところであり、聞き手を包み込むような魅力で訪仏とさせる瞬間がそこにはある。
この和声の加速度が音楽の根底に流れそれが音楽としての統一感と感動の源泉を生み出している。ドビュッシーを代表とする近代フランス音楽(印象派)と呼ばれそれば絵画の印象派とは異なるものではあるものの、この2次的和声感は印象派絵画を思い起こさせる要素があるとすら感じる。従ってドビュッシーらしさを論じる際この要素は非常に重要である
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