室内楽の夕べ(ピアノ:山下亜紀子)
■ 日時 2002年8月20日19:00〜
■ 場所 ベルディアートサロン
■ 曲目
1.シューベルト:アダージョとロンド
2.クルクハルト:葦のうた
3.マルティヌー:クアルテット
4.ブラームス:ピアノトリオC-dur
5.モーツアルト:オーボエクアルテット
■演奏会評
ブラームスが大変素晴らしかった。特に3楽章が絶品。ピアノが見事。きれいな音楽を奏でる姿に風格さえ感じられる。
1.シューベルト
とってもきれいにまとまって心地よい演奏。
しかし私にはモーツアルトの演奏を聞いているようでシューベルトらしさが感じられない。ピアノがせっかくシューベルト独特の転調に表情をつけているのに弦が非常に大雑把な解釈でそれを無視していたように感じる。
2,3、5
オーボエの音にもっと表情があれば良いのだが。
4.ブラームスピアノ三重奏
(1)1楽章
柔らかい解釈。ある意味で女性的。女性ならではの演奏。
ピアノは完璧。大きさもあり切れも良いし音もきれい。弦のサポートも心憎い。
ピアノ五重奏かと錯覚する瞬間が多々あり。ピアノの広がりがあるからか。
弦のミスは流れに影響がなければ全くきにならないが、テーマに戻る直前の音が外れたのは影響あり。ブラームスは郷愁を誘う作風であり然るに再現部は特別の意味があると思うので。
(2)2楽章
3者のかけあいがうまく計算されて抜群。ピアノが堂々としていて大きさを感じる
(3)3楽章
全く期待通りのすばらしい演奏。今回の演奏の中で最高の部分。繊細できらびやかであり説得力があって、ともかく抜群。
(4)4楽章
やわらかい解釈。最初に現れるピアノの独奏部の弾き方が魅力的。よく考えられていて
曲全体の良い色づけになっている。センスを感じる。
最後の再現部の前の速度の落とし方はよく計算されている。
ただ何も考えずに演奏したとしても盛り上がる最終部分をよく研究していたなという感じ。
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